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2007年 09月 29日 ( 1 )

No-No Boy

c0132245_0133141.jpg邦題『ノー・ノー・ボーイ』
ジョン・オカダ著、中山容訳、晶文社刊、2,835円(by amazon)
1957年に初版が発表されたこの小説は、日系アメリカ人文学の先駆けと称され、「アメリカ人でも、日本人でもない」日系アメリカ人達の、第二次大戦下においての国家や人種をめぐる苦悩がリアルに描かれています。
兵役を拒否した主人公イチローと、戦地での負傷が元で死の病に罹ってしまった親友との『アイデンティティ』の対比や、主人公のまわりの様々な人物との関わりの中で、「アメリカ人であろうとする」自分探しの旅が効果的なメタファーによって示されていきます。
我々には物語の背景にある公民権運動やエスニック・アイデンティティなどの、『時代の空気』は理解し得ないかも知れませんが、この本に描かれている本質的な「居場所のなさからくる虚無感」には共感できるかも知れません・・・。

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第二次大戦下のアメリカでは、17歳以上のすべての日系人が「忠誠登録」を強制されました。
「いつどこでも、アメリカ軍隊として戦闘義務を果たすか?」
「アメリカ合衆国に無条件の忠誠を誓うか?」
このふたつの質問に「ノー」と答えた1万3千人が、『ノー・ノー・ボーイ』として「不忠誠」のレッテルを貼られ、強制収容所へと送られたのです。
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by atelier_cube | 2007-09-29 00:15 | 雑感