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『蜘蛛の糸』についての一考察

なぜだか解らないけど、明け方の寝ぼけた頭の中を、芥川龍之介の短編『蜘蛛の糸』の話がグルグル巡って離れません。
どうやら、いくつかの矛盾について納得がいかなかったみたいで・・・。

ある日の朝、(暢気な)散歩途中の釈迦は蓮池の遙か下の地獄に、生前小さな蜘蛛を助けたことのあるカンダタを見つけ、(自分が見落としていたのに今さら)その慈悲の心に感心し、極楽に導いてやろうと(気まぐれに)一本の蜘蛛の糸をたらします。
極楽から伸びる蜘蛛の糸を見つけて大喜びのカンダタは、それをつたって極楽へと登り始めます。
ところがどうでしょう。ふと下を見下ろすと、無数の地獄の罪人達が自分に続いて上ってくるではありませんか。
『このままでは、蜘蛛の糸が重さで切れて落ちてしまう』と考えたカンダタは、「この糸は俺のものだ。みんな下りろ!」と叫びます。
この『自分さえよければ』という無慈悲な心を浅ましく思った釈迦は、(自分も"無慈悲"にも)蜘蛛の糸を切ってしまうのです。

いやいや、ちょっと待って下さいよ。このときのカンダタの気持ちや行動って、いわゆる『緊急避難』ってことになりませんかね。
もし仮に、カンダタが無慈悲な心を持たなかったにも関わらず、他の罪人達の重みで蜘蛛の糸が切れていたとしたら・・・。
釈迦はいったいどうしていたのでしょう。
もう一度蜘蛛の糸を垂らすのでしょうか?
それも再び切れたとしたら?
もともと思いつきで始めたことなので、『気まぐれ』に振り回されたカンダタの気持ちなど考えず、「まっ、いっか」とまた暢気に散歩を続けるのかもしれません。

「刑法における緊急避難は、人や物から生じた現在の危難に対して、自己または第三者の権利や利益(生命、身体、自由、または財産など)を守るため、他の手段が無いためにやむを得ず他人やその財産に危害を加えたとしても、やむを得ずに生じさせてしまった損害よりも避けようとした損害の方が大きい場合には犯罪とはならない(違法性が阻却される)というものであり、刑法37条1項本文に規定されている。」by Wikipedia
とあります。

う〜む、実に悩ましいことで・・・。
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by atelier_cube | 2007-09-02 11:08 | 雑感
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