飲み会が終わると、家路につくヤツもいれば次の店に行くヤツもいて、それぞれが思い思いの方向に散って行く。
そんなとき、たまたまゲーセン大好きな友人と肩を並べて歩いたために、行きたくもないゲームセンターに連れて行かれたことがあった。
最初は二人してテンション高くレースものなんかの対戦ゲームに興じる訳だが、すぐに俺が相手として不足であることに気付いた友人は、申し訳程度に2〜3回俺の相手をした後、やがて自分が興味のある機種へと移っていく。
そうして、残された俺は所在なげに、彼の超絶プレーをただボーッと眺めることになる。
しばらくして、横で居心地悪そうにたたずむ俺に気付いたゲーセンマニアの友人は、さも面倒くさそうに言うのだ。
「あー、俺もう少しやってくわ。先に帰って。」
しかたなく友人に別れを告げてゲームセンターを後にした俺は、まるでうち捨てられた女のような気持ちで、深い溜息と共にタクシーのシートに身を沈める。
やってらんね〜。